というか、なんで私なんかを滝沢くんみたいな人気者が好きになってくれたんだろう……。
「それはいいってことだな。明日から覚悟しとけよ?」
へらり、と笑う滝沢くん。
「えっ……!?」
その一方で私の頭は混乱していた。
だって、滝沢くんが意味のわからないことを言うから……。
満足するまで告白するっていうのはさすがに冗談だよね?
じゃないと、困るんだけれど……まあ、滝沢くんのいつもの軽い冗談だよね。そういうことにしておこう。
「そんなことより、お前すっげぇあの新米のヤツに目つけられてんな」
ハハッと少しバカにしたように短く笑った滝沢くんに私はムッとした気持ちになった。
別に私だって目をつけられたくてつけられているわけじゃないし……。
それに、滝沢くんはカッコイイから先生に気に入られているんだよ。
「うるさい……別になんとも思ってないもん」
別に興味が無い。
そんなに私のことが嫌いならいっそ、無視して私という存在を消しておいてほしい。
もうどうでもいいのだ。
渉くんのいない世界なんて……生きている心地がしない。
それでも、必死に笑って生きているのは周りの人に迷惑をかけたくないから。