『あのさ、好きなんだけど』

太陽のように眩しいくらいの笑顔が印象的な人気者の君に告白されたのは。

今にも壊れそうな私に何度も何度もしつこいくらいに、そっと手を差し伸べてくれた君。
私はいつだってその手を拒み、振り払っていた。

最初は懲りずに毎日のように告白してくる君が好きじゃなくて、むしろ、嫌いだった。

ひどい事ばっかり言うと思ったら時々優しいこと言うし……彼とは真逆だし、そんな君のことなんて絶対好きにならないと思っていた。

なのに、


『俺が力になる。お前が心の底から笑える日が来てほしいから』

『俺がお前の泣き場所になってやるから』


気づいたら、私の中に君のことが愛おしくてたまらないという感情が芽生えていたんだ。

だけど、そんな君が底知れぬ深い悲しみを抱えていたことなんて私は何も知らなかったんだ。
もし、この世界から愛が消えたとしても君の周りにだけはたくさんの優しい愛で溢れていますように。

たとえ、君が一人になったり、どうしようもなく悲しみに暮れる日には私が何度でもこの手を差し伸べるから。


「私は、君のことが──……」


ありったけの想いをこの声に乗せて、君の元へ届くように私なりに一生懸命伝えるから。

だから、お願い。
私の前からいなくならないで。どこにも行かないで。

私を一人にしないで。