カイくんが、病気を患っているの?
だって……信じられない。
つい最近まであんなに元気だったんだよ?
「楠川さんの前では、ずっと辛いのも隠してたんだと思う。俺たちも知ったの最近だったし」
「アイツ、人に頼るのとか苦手だからな」
「そ、それで……カイくんは助かるの?」
死ぬ、なんて言わないよね?
不安が風船のように膨れ上がってどきんどきんと動悸を激しくさせる。
「っ……」
私の問いかけに視線を落として表情を苦しげに歪ませた二人。
どうして、そんな顔をするの?
もしかして、もう治らないの?
お願いだから、そんなこと言わないで。
お願いだから、治るって言って。
「ねぇ……っ、答えてよ……っ!」
「……治るよ、手術すれば」
増田くんが消え入りそうな声でぽつりと呟いた。
その言葉にホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、“治る”そう言っているはずなのに何故か彼らの表情は変わらず、深い悲しみに満ちたままだということに気がついた。
どうして、まだそんな顔をしているの?
治るんでしょ?
「でも」
次に増田くんが遠慮がちに発した言葉を聞いて、私はその場に膝から崩れ落ちた。
何故ならそれはあまりにも残酷で、悲惨な言葉だったからだ。
「……そんなっ!」