本当にいつも不意打ちすぎてこっちはビックリするんだってば。

気配消しすぎでしょ……って私が自分の考えていたことに意識がいきすぎていただけかもしれない。


「ここ、立入禁止だろ」

「それは……」


立入禁止だって知っているのにどうして躊躇もせずにズカズカと入ってくるわけ?

やっぱり、滝沢くんは読めない人だ。


「あのさ、好きなんだけど」

「は?なにが?」


いきなり、何を言い出すかと思いきや自己紹介?

主語が抜けてるよ、滝沢くん。


「だから、お前のことが」

「えっ?」


い、今なんて言った……!?
私のことが好きって言わなかった……!?

えっ、空耳かな?!

さすがに都合の良すぎる捉え方だよね。

第一、人気者の滝沢くんから私みたいなのが告白されるわけないじゃん。

そうそう、ありえないんだから。
接点だってなければ、話したのも今日が初めてなんだもん。

「……なんとか言ってくれない?俺、告白すんのとか初めてだからすげえ恥ずいんだけど」


首に手を当てて、私から視線を逸らし、目を伏せてほんのりと頬を赤く染めている滝沢くん。

え、本気なの?
罰ゲームじゃないの?