読み終えた時には再び大粒の涙がはらはらと頬を伝っていた。ぽろぽろとこぼれ落ちた涙が手紙の上に落ちて丸いシミを作る。
今まで知ることのなかった渉くんの気持ちがひしひしと伝わってきて胸がぎゅっと締め付けられて、苦しくなった。
私たち、ずっと両想いだったんだね。
その事実を知れただけで私はとても幸せだ。
何故か隣にいたカイくんも手紙を読んで、静かに涙を流していた。
自分の苦しみを分かちあって、一緒に泣いてくれる人がいることに感謝しなくてはいけない。
ねぇ、渉くん。
私、この人幸せになっていいかな?
もう一度、恋をしてもいいかな?
「いい人、だな……。俺、一生敵わねぇや」
「でしょ……っ?本当に優しくて素敵な人だった……っ」