カイくんは泣きじゃくる私の頭を何度も優しく撫でてくれて、泣き終わるまでずっと何も言わず、強く抱きしめていた。
「……渉くん…っ」
ずっとずっと好きだった。
まさか会えなくなる日が来るなんて思ってもいなかった。
私の日常の中には必ず君がいて、この先もずっとそうなのだと信じて疑わなかった。
しばらく泣いた後、意を決して室さんから渡された封筒に手をかけた。
「ふぅ……」
緊張で手が小刻みに震えている。
一体、何が書かれているのだろう。
彼はもしも自分が亡くなった時、私に何を伝えようとしてくれていたのだろうか。
「大丈夫だ、ハル」
カイくんが優しく目を細めてわたしの頭を撫でてくれた。
隣にはとても心強い味方がいてくれる。
だからなのか、急に大丈夫な気がしてきた。
深く深呼吸をしてから中に入っていた便箋二枚に目を通した。