その決定的な事実が余計に私の胸を痛いほど締め付け、彼の死を受け入れざる負えなくなってしまったのだ。

あの時、私が『助けて』なんて言わなかったら、私が助けなんて求めなかったら、渉くんは今も息をして、いつか叶えたいと言っていたレスキュー隊になる夢も追えていたのに。

私が、彼の将来を奪ったも同然だ。
いや、将来だけではなく、彼の命までも私は奪ったんだ。

私が……私が死んだらよかった。
なんの夢もなくて、毎日何も考えずにぼんやりしながらと生きている私。

神様はとても意地悪で残酷な人だ。

どうして、私を生かしたの?
渉くんを助けてくれなかったの?

終わりのない疑問がずっと頭の中をループして、どうしようもない程の罪悪感に襲われた私は自分が幸せになることを自ら遠ざけることにした。

それが、私にできる最大の罪滅ぼしだと思ったからである。

必要最低限、誰とも話さずに新しい友達は作らない。

好きな人も作らない。私の好きな人は永遠に渉くんだから。大切な人を失う辛さをもう二度と味わいたくない。
あんな思いをするくらいなら大切な人なんて作らない方がいい。

そんな考えに変わったのだ。