常に“死”と隣合わせの仕事だから両親もそんな危険な現場に向かう人を娘の恋人にはしたくなかったのかもしれない。

もっと早くに生まれたかった、とそんなどうやっても叶わないことを何百回も思った。

もしも、私が君と同じ年齢だったのなら君は私のことを異性として見てくれたのだろうか、と何度も考えた。

いつか君の大切な人になれたのなら、と何度も願った。

だけど、意気地無しの私は告白することすらできずに“あの日”を迎えてしまった。

高校一年生の9月20日。
私はおばあちゃんの家に行くために一人で電車に乗って隣の県に向かっていた。

そんなときだった。


『きゃっ!』


ガタン!と大きな音とともに車内がぐらりと揺れて、その衝撃で後ろの方まで突き飛ばされ、それと同時に車内にあった色んな物や建物とぶつかったのかその瓦礫が私の体の上に容赦なく落ちてきたのだ。

体に感じたことのない激しい痛みが走る。
一瞬にして私は瓦礫の下敷きになり、動けない状態に陥ってしまった。

それだけじゃない、私が下敷きにされた場所は運悪く人から見つかりにくい場所で私が下敷きになっていることに誰も気づいてくれない。