一言で表せば色のない世界。
もう少し長めの文章で書くと、泳ぎ方を忘れて深海の底まで沈んだ魚が、もう二度と戻れない海の上を見上げながら静かに蹲っている様
それは、私が生まれた時から、ずっと当たり前にあったモノがある日を境になくなった。
十八年生きてきて、予想もしていなかった事実と現実に、未熟な私はそれを受け入れることが到底出来なかった。
苦しくて、夢が見えなくなって、心が溺れて色のない海にゆっくり沈んでいった。
誰にも伝えられないまま。
誰にも気づかれないまま。
誰にも言えないまま。
ずっと──私の世界は半分だった。