それから何度か桜の木の下に行くと立花くんに会うようになった。友達のいない私は同年代の人と他愛のない会話をした事がないので、この時間を密かに楽しみにしている。

「今日はいないか...」

お互い、毎日桜の木に行くわけではないので会わない日も多々あった。

私は部屋から立花くんを見かければ桜の木に行っているんだけどね....

どうやらこの病院の個室で桜の木が見えるのはこの部屋だけらしいから、立花くんは結構来ているらしいけどタイミングが合わないのはしょうがない。

みきちゃんに会いに行こうかなー。

そう思いながら私はスリッパを履いた。