言ってしまった後で

あぁ、言わなきゃよかったな

と思うのに、ずっと溜め込んでた思いが溢れて止まらない。

「私...ずっと寂しかった!小さい頃はいつもお父さんやお母さんと一緒で、苦い薬も怖い検査も我慢できた。でも、お父さんとお母さんが離婚して、お母さんは仕事が忙しくなって....全くお見舞いに来てくれなくなった....」

「それは....しょうがないでしょう!
あなたの治療費を稼ぐために今まで以上に働かなきゃいけなくなったんだから!!」

お母さんが勘弁してという様に私にそう言う。

もう止めなきゃ、お母さんが困ってる。

それでも私の言葉は止まらなかった。

「わかってるよ.....私のせいでお母さんとお父さんが離婚したことも.....それで仕事が忙しいことも全部わかってる。だけどね....この病室にずっと1人は寂しい。お話してくれる人はいるよ、でも、私はお母さんと話したい。どんなことでもいいから...」

最後の方は声が小さくなってきっとお母さんには聞こえていなかったと思う。お母さんは頭に手を当てて、はぁ、とため息をつく。

「わがまま言わないでちょうだい!そんな暇ないの.....もう余計に疲れさせないで....」

そっか.....そうだよね、もう、なにを言っても伝わらないよね....

お母さんの言葉を聞いたと同時に私は病室を飛び出した。 後ろから、四葉!!とお母さんの声が聞こえてきたけれど、振り返らずそのまま早足で病室から遠ざかる。
その後のことはあまり覚えていない。気がついたら、16時、桜の木の下にいた。