王太子は、公爵令嬢を妻にしたくないと考えているのではないか。
そんな噂が一気に強まった。私は成人までの一年、さらに絶望に疲れる日々を過ごすことになる。
アンドレアは結婚をこのまま進めるのか、破棄するのか明言さえしなかった。
そうすると、私はあやふやなまま、彼の婚約者として過ごさなければならなくなる。
明日急に婚約破棄されるのか、それとは明後日か――。
彼のことを考えると、疲弊した。
けれど考えざるをえなかった。私は、……美しい彼に見惚れ、事件までの間緊張気味に交流した際の、たった少し言葉を交わしただけで、もう恋に落ちてしまったのだ。
だからこそ、もう、無理だと思った。
(彼と夫婦など……きっと、できない)
私が十八歳の成人を迎えても、現状が変わらずだった。
私は疲れ果て、諦めきった。
ただただ、彼が『自分をいらない』と言ってくれるのを期待して待った。とてもではないが、夫婦なんて、無理だろうから。
成人から一週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎ――。
これは、確実に結婚する気がないのだと私が確信した頃だった。
勝手ながらそう感じてさらなる絶望に立たされた時、その話は、最悪なタイミングで出てきたのだ。
そんな噂が一気に強まった。私は成人までの一年、さらに絶望に疲れる日々を過ごすことになる。
アンドレアは結婚をこのまま進めるのか、破棄するのか明言さえしなかった。
そうすると、私はあやふやなまま、彼の婚約者として過ごさなければならなくなる。
明日急に婚約破棄されるのか、それとは明後日か――。
彼のことを考えると、疲弊した。
けれど考えざるをえなかった。私は、……美しい彼に見惚れ、事件までの間緊張気味に交流した際の、たった少し言葉を交わしただけで、もう恋に落ちてしまったのだ。
だからこそ、もう、無理だと思った。
(彼と夫婦など……きっと、できない)
私が十八歳の成人を迎えても、現状が変わらずだった。
私は疲れ果て、諦めきった。
ただただ、彼が『自分をいらない』と言ってくれるのを期待して待った。とてもではないが、夫婦なんて、無理だろうから。
成人から一週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎ――。
これは、確実に結婚する気がないのだと私が確信した頃だった。
勝手ながらそう感じてさらなる絶望に立たされた時、その話は、最悪なタイミングで出てきたのだ。