「私、魔法をもっと勉強したかったんです。勉強し続けていたら、成人した日に急に魔法数が跳ね上がって。限界も知りたいなって思ってます」

 父親のアレス伯爵が、肩身の狭い思いをしているそうだ。ユーニはそれを理由に、留学権を勝ち取ったことを自信たっぷりに語っていた。

「外国に逃げたように知らない方々には見られもすると思いますけど、エステル様だけでも事実を知ってくださっているのなら、それでいいです。全員に好かれようとか、みんなにいい子だと思われたいとか思ってませんから」

 実にさっぱりしているというか、意外にもタフな子だった。

 エステルといえば、逆に魔法がほぼ使えないので、魔法の勉強が好きだというユーニの話は興味深いものがあった。

「素質とか、才能とか言われますけど、努力で使える魔法の数は増えると思うんですよね。外国にはその習慣があるそうなので、エステル様のためにも、いい情報も持ち帰れるように頑張りますね!」

 最後は名前を呼び合うくらい仲良くなり、笑いながら話しが盛り上がった。

 帰ってきた父が、またしても「ううん?」と首を捻っていた。