次々と打ち上げられる花火を俺はぼんやりと眺める。


__絶景かな。


 毎年のことで当たり前すぎて、この絶景すら、ありがたみを感じない。

 座敷にある年季の入った長テーブルには、いつの間にか豪華な料理が並んでいた。

 寿司に唐揚げにポテトにコーラ。

 昔から変わらない、誕生日のパーティーメニュー。

 いやいや、もう高校生なんだからこんな小学生みたいなメニュー喜ぶわけないだろう、とため息の一つもつきたいところだけど、正直悪くない。

 歳は取っても、俺の精神年齢は全く変わっていないということか。