八月十五日の花火

「お前は、どうなんだよ」

「え?」

「美緒のこと」

「なに?」

「とぼけんなよ。美緒のこと、好きなんじゃ……」

「俺がいつ美緒のこと好きって言った?」


 俺の言葉を途中で遮るように、わざと力強く友樹は言った。

 その言い方が、俺の胸に引っかかってくる。


「違うのかよ?」

「さあ、どうかな?」


 小首を傾げて、俺から視線も逸らす。


「なんだよ、それ」

「享ちゃんは俺が美緒を好きでいてほしいの?」

「そういうわけじゃないけど。幼なじみって、そういうのあるじゃん。三角関係とか」

「うわっ、何それ、いつの時代の恋愛マンガ?」

「現在も絶大な人気を誇るよくある設定だよ」


「ははっ」と友樹は可笑しそうに笑った。


 それで誤魔化すつもりか?

 俺はそのふざけた笑顔を切り捨てるような鋭い視線を作って、友樹を見やった。