八月十五日の花火

 今思えば、何をあんなにイライラしていたのか、自分でも思い出せない。

 異様な暑さのせいかもしれない。

 試合ではどうせ道着に着替えるのに、この猛暑の中、制服着用で試合会場に足を運ばなければいけないのが不満だったのかも知れない。

 どうせ負ける試合に、部員だからという理由だけで参加しなければいけないことにうんざりしていたのかもしれない。

 そしてその予想通り、本当に負けたからかもしれない。

 いつものことなのに、「いつものこと」ということが、妙に気に障ったのかもしれない。


 そう思い返してみると、何とも自分勝手だなあと、他人事のように笑ってしまう。


 いっぱしの思春期かよ。

 反抗期かよ。

 特別な人間でもないくせに。

 何のとりえもないくせに。

 同年代で活躍しているスポーツ選手や芸能人たちと比べたら、俺なんてつまらない存在だよ。

 将来に対するご立派な悩みなんてないし、進路だって迷えるほど道は用意されていない。

 勉強も好きじゃないし、剣道も弱いし。
 
 期待もされない、褒められもしない。

 継続も努力もできない。

 根性も忍耐もない。

 学校と家を往復する毎日は退屈で、なんとなく時間が過ぎて、勝手に流れていく時間に、俺は川下りのごとく身を任せて流されていく。
 
 
__俺は、何のために生きてるんだ?

 どうして生まれてきたんだ?


 そんなこと考えてること自体、マジで……