割れたスイカは切って食べるんじゃなくて、くり抜いて食べる。

 ほら、あるじゃん、フルーツくり抜く道具。

 名前、何ていうか知らないけど。

 くり抜くのは小さい頃から俺たち三人の仕事だ。

 割れたスイカの皮を器にして、くり抜いた中身を戻し、ピックを刺して食べる。

 俺の誕生日のパーティーメニューで、唯一おしゃれなメニューだ。

 それをつまみながら、縁側に三人で並んで花火を見る。

 俺と友樹が美緒を挟む形で座っている。

 この陣営も、いつも通りだ。