日鞠と出会ったのは、中学一年の入学式だった。
私は元々引っ込み思案な性格なので、クラスメイトから話しかけられても緊張してうまく返事ができなかった。
そうなると徐々にクラスの中で浮いた存在になってしまい、自然と孤立しそうになった。
そんなとき声をかけてくれたのが日鞠だった。
体育の授業のときに、体育館まで一緒に行こうと誘ってくれたのだ。
本当に涙が出るほどうれしかった。
話すのが下手なだけで、他人を避けているわけではないと周りからも理解され、私は孤立を免れた。
あのままだと誰かにいじめられていたかもしれないのに、陽気なキャラの日鞠のおかげで、孤立やいじめどころか逆に話せる人が増えたくらいだ。
だから日鞠は私の救世主で、女神様で、誰よりも大切にしたい生涯の親友だと思っている。
五年半が過ぎた今も私は引っ込み思案の地味子で、日鞠は真逆の明るい性格で人気者だから、私たちの仲の良さを不思議に思う人もいる。
たしかに周りから見ると、どうしてウマが合うのかわからないのだろう。
「お疲れ。門脇、出来た分をここに置いとくから」
必死にマスキングテープを貼っていて気づくのが遅れた。
振り向くとそこには同じクラスの水上 里哉くんが立っていて、持ってきた段ボールの箱を準備室の隅に置くところだった。
「ありがとう! ていうか、それなんだったっけ?」
日鞠がにこにこと笑いながら水上くんに問いかける。
「頼まれてた風船だよ。男たち何人かで膨らませておいた」
「そうだった。マジで助かる!」
日鞠と同じく、水上くんとも中学一年のときに同じクラスになったのがきっかけで出会った。
あのころは私とさほど身長は変わらなかったのに、今はもう二十センチくらい彼のほうが高い。
水上くんは凛々しい眉と切れ長の瞳、高い鼻梁の持ち主で、中学のときから変わらず整った顔をしている。
陸上部に所属していて足も速かったし、身体は均整がとれていて綺麗に筋肉が付いている。
高身長でイケメンでスポーツ万能。三拍子そろっているせいで女子からの人気をひとり占めだ。
水上くんを好きだという女子生徒を今まで何人見てきたかわからない。
かく言う私も、彼に思いを寄せるうちのひとりだったりする。
中一のころからずっと水上くんのことが好きで、私の初恋は今も密かに継続中なのだ。
「あ、看板作ってるんだ。全部木南が描いたの?」
急に水上くんから話しかけられた私は、緊張で咄嗟に言葉が出なくてコクコクと必要以上にうなずいてしまう。
私は元々引っ込み思案な性格なので、クラスメイトから話しかけられても緊張してうまく返事ができなかった。
そうなると徐々にクラスの中で浮いた存在になってしまい、自然と孤立しそうになった。
そんなとき声をかけてくれたのが日鞠だった。
体育の授業のときに、体育館まで一緒に行こうと誘ってくれたのだ。
本当に涙が出るほどうれしかった。
話すのが下手なだけで、他人を避けているわけではないと周りからも理解され、私は孤立を免れた。
あのままだと誰かにいじめられていたかもしれないのに、陽気なキャラの日鞠のおかげで、孤立やいじめどころか逆に話せる人が増えたくらいだ。
だから日鞠は私の救世主で、女神様で、誰よりも大切にしたい生涯の親友だと思っている。
五年半が過ぎた今も私は引っ込み思案の地味子で、日鞠は真逆の明るい性格で人気者だから、私たちの仲の良さを不思議に思う人もいる。
たしかに周りから見ると、どうしてウマが合うのかわからないのだろう。
「お疲れ。門脇、出来た分をここに置いとくから」
必死にマスキングテープを貼っていて気づくのが遅れた。
振り向くとそこには同じクラスの水上 里哉くんが立っていて、持ってきた段ボールの箱を準備室の隅に置くところだった。
「ありがとう! ていうか、それなんだったっけ?」
日鞠がにこにこと笑いながら水上くんに問いかける。
「頼まれてた風船だよ。男たち何人かで膨らませておいた」
「そうだった。マジで助かる!」
日鞠と同じく、水上くんとも中学一年のときに同じクラスになったのがきっかけで出会った。
あのころは私とさほど身長は変わらなかったのに、今はもう二十センチくらい彼のほうが高い。
水上くんは凛々しい眉と切れ長の瞳、高い鼻梁の持ち主で、中学のときから変わらず整った顔をしている。
陸上部に所属していて足も速かったし、身体は均整がとれていて綺麗に筋肉が付いている。
高身長でイケメンでスポーツ万能。三拍子そろっているせいで女子からの人気をひとり占めだ。
水上くんを好きだという女子生徒を今まで何人見てきたかわからない。
かく言う私も、彼に思いを寄せるうちのひとりだったりする。
中一のころからずっと水上くんのことが好きで、私の初恋は今も密かに継続中なのだ。
「あ、看板作ってるんだ。全部木南が描いたの?」
急に水上くんから話しかけられた私は、緊張で咄嗟に言葉が出なくてコクコクと必要以上にうなずいてしまう。