でも.....................



「分かって欲しいなんて、言ってないよ、」



〝心〟と言葉が違うことを言ってしまう。



「ふっ、相変わらず素直じゃねーな」



そう言って、
私を抱きしめたまま、ニコっと笑う雛斗。



そして........................



私の耳元に、口を寄せてから。



「もうさ、就活なんて、とっととさ、
〝卒業〟して、俺に、永久就職すれば?」



そんな、冗談のような言葉を言われた。



世の中、誰もが、
〝求められる場所〟があるわけじゃない。



人間はね、常に思うの、
いつか、自分の求められる場所で。って......



私にとっての〝求められる場所〟



それは、
──────きっと、雛斗の隣かもしれない。





fin.