中々自分の気持ちを外に出せない鈴にとって美鈴は、なんでも話せる小さい頃からの兄のような存在であり、友達のような存在でもあった。
「だから、どうにかする……!絶対!当主様に会ってくる!」
「ちょ!?それはだめだよ!!」
「だめ?どうして」
「今の当主様は冷徹無慈悲、恐ろしい人と言われているんだ……だから、突然鈴が会ったりしたら最悪の場合殺されちゃうかもしれない……」
「ま、まさかさすがにそれはないんじゃ……」
(当主様も悪魔じゃないんだし……)
少し怯む鈴。美鈴は自分を想ってくれたことが嬉しくて、それに満足して覚悟を決めてしまった。
「僕にもよくわからないんだ。言っときながら、ごめん……」
「謝らないで、美鈴は悪くないよ……!私、絶対どうにかしてみせるから」
「鈴……ありがとう」
(あやかしたちがたくさん現世に降りてくるのは午後8時。その時を狙って、私は……)
鈴は考えを巡らせていた。
そして、一階にいる母親に呼ばれてこの後朝食をとりにリビングへと移動した。
鈴の考えと言うのは至って単純で、やはり直接会って言うということだった。
だけど美鈴の言っていた話が恐ろしくて、ついぼーっとしてしまう時が増えてしまった。
そして、迎えてしまった午後8時。
美鈴がスヤスヤと居眠りをしている間に、鈴は外に出ていた。
遠くの山の方を見つめると、ぼんやりと明るい提灯がたくさん光っていて、あやかしたちが現れたのだとすぐに理解する。
ゴクリと息を呑んで、そちらへと走って行く。
「はぁ、はぁ……」
しばらく走ると、誰だかあやかしの姿が見えてきた。
けれど闇夜のせいで顔がよく見えなかった。
鈴は聞いた。
「当主様、知りませんか……?」
「だから、どうにかする……!絶対!当主様に会ってくる!」
「ちょ!?それはだめだよ!!」
「だめ?どうして」
「今の当主様は冷徹無慈悲、恐ろしい人と言われているんだ……だから、突然鈴が会ったりしたら最悪の場合殺されちゃうかもしれない……」
「ま、まさかさすがにそれはないんじゃ……」
(当主様も悪魔じゃないんだし……)
少し怯む鈴。美鈴は自分を想ってくれたことが嬉しくて、それに満足して覚悟を決めてしまった。
「僕にもよくわからないんだ。言っときながら、ごめん……」
「謝らないで、美鈴は悪くないよ……!私、絶対どうにかしてみせるから」
「鈴……ありがとう」
(あやかしたちがたくさん現世に降りてくるのは午後8時。その時を狙って、私は……)
鈴は考えを巡らせていた。
そして、一階にいる母親に呼ばれてこの後朝食をとりにリビングへと移動した。
鈴の考えと言うのは至って単純で、やはり直接会って言うということだった。
だけど美鈴の言っていた話が恐ろしくて、ついぼーっとしてしまう時が増えてしまった。
そして、迎えてしまった午後8時。
美鈴がスヤスヤと居眠りをしている間に、鈴は外に出ていた。
遠くの山の方を見つめると、ぼんやりと明るい提灯がたくさん光っていて、あやかしたちが現れたのだとすぐに理解する。
ゴクリと息を呑んで、そちらへと走って行く。
「はぁ、はぁ……」
しばらく走ると、誰だかあやかしの姿が見えてきた。
けれど闇夜のせいで顔がよく見えなかった。
鈴は聞いた。
「当主様、知りませんか……?」