「この城のルールは当主が決めている。お前は安心していい。『俺以外に』食われることはないからな」
「えっ……はい……」
(まだ物騒じゃんか!!)
「だが、召使いのすることはよくわからないからな……泉に話を聞くといい」
「わかりました」
ボフッという煙の音と共に現れた泉。
「……話は聞いておりました。が……本当に番の方を召使いにするおつもりですか」
「ああ。正しくは召使いにさせている期間中に惚れさせる……だがな」
ニヤリと微笑みながら鈴の方を見る鬼堂。
「うっ……」
「わかりました。どちらにせよ、召使いになるということならしっかり指導させていただきます」
何か悪いことを企むような目でこちらを見てくる泉にヒヤヒヤしながらも、よろしくお願いします!と元気よく挨拶した鈴だった。