わたしは音量をゼロにしたのはもちろんのこと、振動もしないサイレントモードに切り替えたけれど、それからも画面の中は賑やかだった。

 同じクラスのライングループ。

 学年が変わる度に、有無を言わさずに属さなければいけないそのグループは、例え余命を宣告されたからと言って、退会することは難しい。

 できることならば、自然にフェードアウトしたいのだけれど、次の学年に上がるか転校でもしない限り、クラスメイトであることに変わりはないから、こっそりとグループを抜けてしまったら、こそこそと変な噂が立つに決まっている。

 やっば。だから和子だけを省いたグループ作ればよかったじゃん。

 と、陰で言われるかもしれないし。

 プールの話、やっぱまずかったかな。だって和子は心臓的に参加できないもんね。

 と、下手な同情をされるかもしれない。

 クラスの中には、恋バナをするくらい仲の良かった子たちも数人いるけれど、病気の進行具合を伝えて、彼女たちにも一線を引かれるようになってからは、その友情の希薄さを感じてしまった。

 放課後の遊びには誘われなくなったし、現に、自由奔放なこのメッセージがそうだ。

 わたしだったら送らない、普通できない。

 今にも死んじゃいそうな友だちが所属しているライングループに、こんな気ままなメッセージ。