中学校生活最後の夏休みが始まって少しした頃の事だった。
ある日、SNSで仲が良いと思っていた同じ部活だった奴らが俺抜きで遊んでいる旨を投稿していた。確かに夏期講習で忙しいけれどその日はオフだったし、一言俺も誘って欲しかったと思ってしまった。元々部活を引退してから、一気に関わりが薄くなり今までずっと仲が良いと思っていたのはなんだったのかと思っていた。それでも見ないフリをして、気の所為だと思っていたのだ。でも今証明されてしまった。俺の人間関係は繋がりの場となっていたものが消えればなくなってしまうほど希薄なものだったのだと。
そんな事があって落ち込んでいて、夏休みらしいなにかに憧れていたのはあるのかもしれない。
その日塾に行くと智明の様子がおかしかった。何があったのかと聞いても最初は誤魔化していたが、明らかに異常だった智明の様子に食い付き何度も何度も聞けばやっと教えてもらえた。
智明曰く、以前受けた模試の結果が、前回よりも悪いものだったらしい。このままではダメだと、母親に怒られると怯えもっと頑張らなきゃと自分に暗示をかけるかのように言っていた智明を心配しつつ、俺だけに教えてくれたという優越感があった。それでも、虚ろな目をしてもっと頑張らなきゃと呟いている智明に何とかしなきゃって思って。とにかく塾から、勉強から引き剥がせばいいんじゃないかと思った時思いついたのが前に家族と行った事のある人気のない浜辺だった。
思いついたら即行動だった当時の俺は智明をすぐにでもどうにかしなきゃと思っていたのもあり何も考えずその場で誘った。
「智明!海行こうぜ!明日!!」
「模試頑張った祝いと、これからも頑張るぞって覚悟のためにさ、」
そんな適当な理論で渋る智明を半ば無理やり誘い夏期講習をサボって強行した。
そのせいで智明を苦しめたのに──
目覚ましの音で目が覚める。久しぶりに感じる悪夢の後特有の感覚に不快感を覚えるが今日の予定を思い出しより気分が下がる。智明が1番わかっているはずなのに。やり直しをしよう、そう言った智明の言葉の意図を俺はまだ理解ができていない。
ある日、SNSで仲が良いと思っていた同じ部活だった奴らが俺抜きで遊んでいる旨を投稿していた。確かに夏期講習で忙しいけれどその日はオフだったし、一言俺も誘って欲しかったと思ってしまった。元々部活を引退してから、一気に関わりが薄くなり今までずっと仲が良いと思っていたのはなんだったのかと思っていた。それでも見ないフリをして、気の所為だと思っていたのだ。でも今証明されてしまった。俺の人間関係は繋がりの場となっていたものが消えればなくなってしまうほど希薄なものだったのだと。
そんな事があって落ち込んでいて、夏休みらしいなにかに憧れていたのはあるのかもしれない。
その日塾に行くと智明の様子がおかしかった。何があったのかと聞いても最初は誤魔化していたが、明らかに異常だった智明の様子に食い付き何度も何度も聞けばやっと教えてもらえた。
智明曰く、以前受けた模試の結果が、前回よりも悪いものだったらしい。このままではダメだと、母親に怒られると怯えもっと頑張らなきゃと自分に暗示をかけるかのように言っていた智明を心配しつつ、俺だけに教えてくれたという優越感があった。それでも、虚ろな目をしてもっと頑張らなきゃと呟いている智明に何とかしなきゃって思って。とにかく塾から、勉強から引き剥がせばいいんじゃないかと思った時思いついたのが前に家族と行った事のある人気のない浜辺だった。
思いついたら即行動だった当時の俺は智明をすぐにでもどうにかしなきゃと思っていたのもあり何も考えずその場で誘った。
「智明!海行こうぜ!明日!!」
「模試頑張った祝いと、これからも頑張るぞって覚悟のためにさ、」
そんな適当な理論で渋る智明を半ば無理やり誘い夏期講習をサボって強行した。
そのせいで智明を苦しめたのに──
目覚ましの音で目が覚める。久しぶりに感じる悪夢の後特有の感覚に不快感を覚えるが今日の予定を思い出しより気分が下がる。智明が1番わかっているはずなのに。やり直しをしよう、そう言った智明の言葉の意図を俺はまだ理解ができていない。