「「いただきます」」
もう慣れた、智明と2人で俺の部屋で食べる夕飯。
連絡先を交換したあの日から俺達は、急激に仲良くなった。どちらかと言うと元に戻ろうとしたの方が正しいのかもしれない。
被る講義がない日でも学校内で会って話す事も増え、どちらも予定が空いている夜は居酒屋や互いの家で夕飯を食べ、空白となった6年を埋めるようにくだらない事や高校に入ってから今までの話、色々な事を話した。知らない彼を知り、変わった事や変わらない事に気づくたび、自分の事を話すたび、罪悪感が顔を出す。こうなったのはお前のせいだと、もっといい道があったんじゃないかと、そう囁いてくるのだ。そして俺はそれを隠したまま智明と一緒にいる。嘘は着いていないものの、抱いている後悔も、罪悪感も全て隠したままだ。でも、それでいい。こんな後悔も全て自分が隠しきればいいだけなのだ。
そうやって俺達は以前と同じようで、少しづつ確実に変わった2人で、関係性を作り上げた。お互い他に仲のいい友人は居るが、お互いそこに紹介することはしていない。智明がどう思っているのかは分からないが俺は、なんだか他と一緒にしたくないような、よく分からない感情で紹介できずにいる。別にそれが悪いことな訳では無いため対して気にしてはいないのだが。きっと俺にとって智明は他とは違う、ただの友達とは言い表したくないような、そんな存在なのだろう。若い日の、黒歴史で罪の象徴でありながら特別になりたいと、一緒にいたいと思ってしまう。
最近では智明と一緒に過ごす夜が日常になっている。また智明と一緒に過ごせている幸せと同時に、この今までより彩られた日常が終わる日が来るのを、俺はどうにも恐れている。