「それくらいわかってるよ! だから何回も諦めようとした! でも無理だった!」

〝うまいじゃん。これならうちの高校入っても大丈夫だ!〟
〝ああ、思い出した! うまかった子だ! よく俺のこと覚えてたね〟
〝大ちゃん、ね。いいねそれ〟

「好きな人に優しくされたら期待しちゃうよ! 諦めきれなくなる!」

〝なんか……菜摘、寂しそうだから〟
〝菜摘はちっちえーな〟
〝素直でよろしい〟

「私はあんたが大ちゃんと付き合う前からずっと好きだった!」

〝菜摘、ちゃんと見張ってて。約束ね〟
〝頑張って受かれよ。待ってるから〟
〝大ちゃんって呼ばれるの、初めて〟

「大ちゃんとあっさり付き合えたあんたに……」

〝俺……菜摘にだけは嫌われたくない〟
〝信じられるのは、菜摘だけだから〟
〝閉会式は特別に俺もサボってやるから、存分に泣きなさい〟

「彼女になれたあんたに……」

〝めんこいな〟
〝もう大丈夫だから、泣かなくていいよ〟
〝やっぱおまえといたら楽しいわ〟

「無条件で隣にいられるあんたに……」

〝たぶん会えるよ。そんな気がする〟
〝なんか……寂しいとか思ったの初めてかも〟
〝俺ちょうど菜摘に会いたいなーって思ってたんだよ〟

「死ぬほど好きなのに、好きだって言ってくれたのに、それでも隣にいられない私の気持ちがわかる!?」

〝菜摘が好きだよ〟
〝どうしても……俺には菜摘が必要なんだよ〟
〝一緒に海行こう〟

「急に婚約してて子供がいるとまで言われて、死ぬほど惨めなのに、それでも──」

〝綺麗だって、思ったんだ〟
〝好きだったよ、ずっと。信じてくれる?〟
〝泣き虫。俺も愛してるよ〟

「くだらない、ちっぽけなプライドすらなくなるくらい、どうしようもなくなるくらい好きになっちゃった気持ちが、あんたにわかんの……?」

〝世界で一番愛してる〟