数日が過ぎても、大ちゃんからの連絡はなかった。
 悩みに悩んで、メッセージを送った。

【彼女とどうなったの?】

 連絡がない時点で、私の願った通りにはならなかったのだとわかっていた。なのに、まだ『別れた』と返ってくることを願っている自分がいた。だけど、何日経っても、いくら待っても、返信はなかった。

 罰が当たったんだと思った。
 誘われたからといって会ってはいけないことくらいわかっていた。断らなければいけないことくらいわかっていた。諦めなければいけないことくらい、とっくにわかっていた。

 初めて手を繋いだ時、『嫌いにならないで』と言われた時、『信じられるのは菜摘だけ』と抱き締められた時、私はただ嬉しかった。彼女に対しての罪悪感なんてこれっぽっちもなかった。それどころか、彼女と別れてくれることばかり願っていた。奪えるものなら奪ってやりたい。そんなことばかり考えていた。
 だから、これはきっと罰なんだ。

 うだうだ考えていないで、彼女ができる前に──初めて大ちゃんの弱さを見た日に、大好きだよってちゃんと言えばよかった。そうしたら、なにかが変わっていたかもしれないのに。
 私の片想いは、音信不通という最悪な形で終わりを告げてしまった。