あのね、大ちゃん。

 君は、私と出会ったことを後悔していますか?
 私はしていません。
 君と出会えて、本当に幸せだった。
 出会えてよかったと、君を好きになってよかったと、心の底からそう思えます。

 君に訊いたら、なんて答えてくれるかな。
〝俺も菜摘に出会えてよかったよ〟
 そう言ってくれたらいいな。

 ずっとずっと、君との出会いは運命だと思ってた。
 偶然なんかじゃなく、必然だと思ってた。
 だけどね。

 運命じゃなくても、ただの偶然だったとしてもいいよ。
 あの日、君と出会えて、二年間の時を過ごせた。
 君は確かに、私のそばにいてくれた。
 奇跡みたいな幸せを、かけがえのない一瞬をたくさんくれた。
〝世界で一番愛してる〟
 私を好きになってほしいという願いを、これ以上ない形で叶えてくれた。

 自惚れだと思われてもいい。
 あの時、私たちは確かにお互いを想っていた。
 ふたりにしかわからない、ふたりだけの世界があった。
 ふたりにしか感じることのできない、ふたりだけの想いがあった。
 私は、そう信じています。

 ひとつだけ気になることがあります。
 君は今、幸せですか?

 お願いだから、苦しまないでね。哀しまないでね。
 辛い時は誰かに頼ってね。
 たまには、ちょっとくらい泣いてね。

 どうか、もう二度と、君が孤独を感じることがありませんように。
 君がずっと笑っていられますように。
 君が世界で一番幸せになれますように。
 いつも笑っていてほしいよ。
 君にはやっぱり、笑顔が一番似合うから。

 私の願いはこれだけです。
 それじゃあ、

〝またね。〟



END