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あのね、大ちゃん。
中学生の頃、ずっと思ってた。
奇跡だの運命だの、そんなものはない。全部タイミングでできていて、たまたまタイミングがよかっただけの話だと。
そんな、ちょっとひねくれたことを考えながらも気にしていたのは、私も心のどこかで憧れていて、強く求めていたからかもしれない。
運命だと感じさせてくれる出会いを。すべてが奇跡だと感じさせてくれる人を。
大ちゃんと出会って、そんなものを信じたくなったんだよ。
〝またね〟
大ちゃんが初めてその言葉をくれたあの日から、私の世界は変わったんだよ。
大ちゃんもそうだったかな。
私と出会って、ほんの少しでもなにか変わったかな。
私ね、大ちゃんと過ごした二年間は、奇跡の連続だったと思ってる。
だからね。
大ちゃんとなら、もう一度だけ奇跡が起きる。
心のどこかで、そう信じてたんだよ。