「蛍、おはよう。今日も朝から早いな」
「橋本さん。おはようございます」
朝。
台所で朝ごはんの用意をしていると橋本さんがあくびをしながら覗いてくる。
その姿を見て思わず笑ってしまった。
「なんで笑ってるんだ?」
「いえ。なんでもないですよ」
橋本さんは不思議そうに首を傾げて、そのまま戻って行った。
その後ろ姿を見送ってからまた朝ごはん作りを再開する。
この時代に来てから数日がたった。橋本さんとの暮らしもだいぶ慣れてきて、今はこうして朝ごはんを作ったり、洗濯物をしたりと家事を手伝えるまで余裕を持てるようになった。
最初は戸惑いだらけの生活だった。
でも慣れというのは怖い。この時代でも私はしっかりと働いているのだから。
でも嫌な気持ちは全然ない。
むしろ橋本さんの役に立ちたくて自ら進んで家事をしている。
「よし」