翌朝。


私は目が覚めた瞬間から、体が鉛のように重くてなかなか起き上がることが出来なかった。原因はわかっている。


……今日で、星がいなくなってしまうから。


目が覚めてからだいぶ時間が経つのに体は布団にへばりついたかのように動かなくて、何度も寝返りを繰り返す。


気持ちも落ち込んでいて、多分顔は無表情。


だけど涙は出なかった。


窓の外を見てみると今日も雲ひとつない青空が広がっていて太陽の光が部屋に降り注ぐ。


8月13日の午前7時。


あと数時間後には星はあの青空の中へ飛び立ってしまうのだ。



「蛍。おはよう。朝ごはんできてるよ」


「……ごめん、食欲無い……」



ぼーっとしていると部屋の外から呼ばれた。


いつの間にか時間は過ぎ去っていて、いつも起きる時間に起きない私を心配しているのかもしれない。


朝ごはんを作る余裕もなくて、星に作らせてしまった。