私と道井くんに、USBメモリーの、
差し込み口ようなアザがあったらしい。
〝前世〟の私は、
結構、好きとか言ってたみたいなのに。
〝今〟の私は、全然言えない...............っ。
言えないというか、
もはや恥ずかしくなっちゃう............っ。
そんな私を見て。
「ふっ。たぶんって、
まぁ、これから〝好き〟にさせるけど」
そう言ってニヤッとする道井くん。
笑った顔に、見惚れていると。
「............んっ、」
ドアップに、道井くんの顔があって。
くちびるには柔らかい温もり。
それが、〝キス〟だって、
気づいた頃には離れていた、道井くんの顔。
「やっと、繋がれたな」
満足げな道井くんの顔は、しっかり、
私たちの、繋がったメモリーに保存された。
fin.