「じゃあ、行くぞ」

「...............ぅ、うん、」



私、寺門なな(てらかどなな)の目の前。



真剣な目で話しかけるのは、
私と同い年の、高2年生。



道井圭佑(みちいけいすけ)



私と、道井くんは今まで、
──────接点なんてなかったのに。



お互いに同じ場所に、USBメモリーの、
差し込み口のようなアザがあることから。



関わりを持つようになった。



最初はなんなのか?って、
分からなくって、色々道井くんが調べてくれた。



そして、──────分かったことが1つ。



差し込み口にただ、
線を差し込んだだけじゃ、意味がないこと。