「そうそう、あの時、志月の絵に一目惚れしたんだよ」
「お前昔からいちいち恋愛っぽい表現なのはなんなの? 俺のこと好きなの?」
「冗談やめてよ、気持ち悪い。僕は優しくて包容力のある年上の女の人が好き。志月みたいな辛辣な男は嫌いでーす」
「姉ちゃんいるやつって普通は反動で年下好きになるけどな。シスコンかよ」
功一の八歳上の姉の写真は見たことがある。日輪高校の卒業生らしいので、図書室にあった卒業アルバムを見た。信じられないほどの美人だった。聞いた話によると、東京の総合私立大学でミスキャンパスになったこともあるらしい。シスコンだとよくからかってはいるが、こんな姉がいたらシスコンにならない方がおかしいほどだ。
「そういう意地悪なこと言わない人がタイプだよ」
功一はケラケラと笑った。昔は、俺がからかっても言い返されることはなかったが、逞しくなったものだ。
「お前昔からいちいち恋愛っぽい表現なのはなんなの? 俺のこと好きなの?」
「冗談やめてよ、気持ち悪い。僕は優しくて包容力のある年上の女の人が好き。志月みたいな辛辣な男は嫌いでーす」
「姉ちゃんいるやつって普通は反動で年下好きになるけどな。シスコンかよ」
功一の八歳上の姉の写真は見たことがある。日輪高校の卒業生らしいので、図書室にあった卒業アルバムを見た。信じられないほどの美人だった。聞いた話によると、東京の総合私立大学でミスキャンパスになったこともあるらしい。シスコンだとよくからかってはいるが、こんな姉がいたらシスコンにならない方がおかしいほどだ。
「そういう意地悪なこと言わない人がタイプだよ」
功一はケラケラと笑った。昔は、俺がからかっても言い返されることはなかったが、逞しくなったものだ。