翌朝起きて食事を済ませると、女官の方数名が打掛を着替えをさせてくれた。

 打掛は、長宗我部家を象徴する白綸子に今流行している牡丹の花のレース刺繍が施されている。帯は、紅色で牡丹の花が描かれていて、帯揚げは実家の桜色。

 全て士貴様が用意してくれたものだ。


「お綺麗ですよ」

「ありがとうございます……お化粧も素敵に仕上げていただきありがとうございます」

「いえ! とても私たちも楽しかったですよ。今日の香席は私共も参加させていただく予定で……とても楽しみにしてます」

「ありがとうございます、皆さま。精一杯のおもてなしをさせていただきます」


 私は皆にお礼を言えば、案内をしてくださる役人の方が迎えにきてくださり広間へと向かった。