翌日の夜になり、暗くなり始めた十八時ごろ。

 紗梛は士貴から贈ってもらった腰ラインが膨らんでいて白綸子地に橘柄が刺繍されており型絞りで装飾されているバッスルドレスを着せてもらい、化粧を施され、髪もドレスに似合うように結ってもらった。


「これ、似合ってますか……?」

「えぇ。可愛いわ」


 郁世様に大絶賛されソワソワしながら玄関へ向かうと、下には青色のサテン地に金糸を使用して刺繍されているコートを着ている士貴様とモーニングコートの貴文様がいた。


「士貴様、お待たせしてすみません」

「いや。まってないよ……綺麗だ」

「ありがとうございます、士貴様も素敵です」


 士貴様にエスコートされながら、長宗我部家の馬車に乗る。郁世様と貴文様は別の馬車なので私たちは帝都に来る時に乗ってきた馬車に乗り城へ向かった。

 お城と言っても、夜会が行われるのは城の敷地内にある異国と外交を行うための異国風の館だ。お城に近づいて行くと桜の木が増えていて桜並木に変わっていく。さすが、年中桜が咲いている都だ。

 夜だからか灯りがあって、綺麗さが増している。