おもてなしの香席が終わり、私は長宗我部邸に戻れると思ったのだがそうはいかなかった。その翌日に、東宮と帝が訪問してきたのだ。
香席のことをとても褒めて茶も美味しかったとまた点ててほしいと言われ恐縮する。
その次に女御も訪問してきて私がやった“菖蒲香”がとても良かったと癒されたと言ってもらい、自分自身を褒められたことなかったので嬉しくて微笑む。
その翌日に離宮から長宗我部邸に戻ってきた。
長宗我部邸では貴文様や郁代様が待っていて私を抱きしめてくれた。とても幸せな気持ちになった。
「沙梛ちゃん……! おかえりなさい」
「ただいまかえりました」
彼らに迎えられて屋敷の中に入れば、東宮から反物がたくさん送られてきていた。それがとてもいっぱいあって驚きが隠せない。