絃のことになると過激なくらい周囲に厳しいお鈴がそういうのだから、この感覚は間違っていないということだろう。

(……わたしの、旦那さまになる御方)

 ちらり、と部下たちと言葉を交わし合う士琉を盗み見る。だがしかし、横顔でさえ美麗な彼に、なおのこと絃の胸中はざわつきを増すばかりだった。