たとえば、ここに真菜がいればきっと違ったと思う。
周囲もさほど私たちを気にしなかったかもしれないし、私も彼女が一緒にいてくれれば不安や恐怖心は和らいだだろう。
反して、今は輝先輩とふたりきり。
好奇心に満ちた目を向けてくる人たちから、早く逃げたくて仕方がなかった。
彼は周囲を一瞥すると、「とりあえず行こう」と言って歩き出した。
「え? えっ?」
困惑しながらも、輝先輩を追うしかないみたい。
慌てて傘を差し、ビニール傘に少し隠れた彼の背中を追った。
私の傘はネイビーに水玉模様が描かれている。
ビニール傘よりは周囲の視線を避けられる気がして、さっきよりもわずかに心がラクになった。
直後、スマホが鳴った。
傘を左手に持ち替えてスマホを確認すると、輝先輩からラインが来ていた。
【最寄り駅はどこ?】
不思議に思いながらも、家の最寄り駅を打って返信する。
前を歩く彼がスマホを確認しているのは、なんとなくわかった。
ただ、それ以降、輝先輩の返事はないままに駅に着き、彼は改札を抜けた。
後を追っていけば、輝先輩が私の最寄り駅に向かう方面の電車に乗った。
周囲もさほど私たちを気にしなかったかもしれないし、私も彼女が一緒にいてくれれば不安や恐怖心は和らいだだろう。
反して、今は輝先輩とふたりきり。
好奇心に満ちた目を向けてくる人たちから、早く逃げたくて仕方がなかった。
彼は周囲を一瞥すると、「とりあえず行こう」と言って歩き出した。
「え? えっ?」
困惑しながらも、輝先輩を追うしかないみたい。
慌てて傘を差し、ビニール傘に少し隠れた彼の背中を追った。
私の傘はネイビーに水玉模様が描かれている。
ビニール傘よりは周囲の視線を避けられる気がして、さっきよりもわずかに心がラクになった。
直後、スマホが鳴った。
傘を左手に持ち替えてスマホを確認すると、輝先輩からラインが来ていた。
【最寄り駅はどこ?】
不思議に思いながらも、家の最寄り駅を打って返信する。
前を歩く彼がスマホを確認しているのは、なんとなくわかった。
ただ、それ以降、輝先輩の返事はないままに駅に着き、彼は改札を抜けた。
後を追っていけば、輝先輩が私の最寄り駅に向かう方面の電車に乗った。