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八月。


お盆に入ってすぐに、輝先輩との約束の日が訪れた。
会うのは二週間ぶり。


私は予備校とバイト、彼は試験やバイトで忙しかったから仕方がないとはいえ、この半月はやっぱり寂しかった。
だからこそ、今日が楽しみすぎて、昨夜はなかなか寝付けなった。


(なんかデジャヴ? 去年も全然寝れなくて遅刻したんだよね)


あの日、輝先輩から告白されるなんて夢にも思っていなかった。
ちょうど今くらい時間は、駅からスマホを取りに戻っていた。


今日は絶対に遅刻したくなかった私はもちろん、輝先輩も早めに待ち合わせ場所に来てくれて、予定よりも十分前に合流できた。


「今回は遅刻しなかったな」


そう言って笑った彼も、きっと昨年のことを思い出していたんだろう。
同じことを考えていたんだと思うと、心がくすぐったくなった。


晴天の今日は、開園前の遊園地の前はたくさんの人で賑わっていた。
プールに行くであろう人たちと同じくらい、アトラクションで遊ぶ人も多そうだ。


「今年は去年より混んでるな」

「うん。あんまり乗れないかな」

「うーん……かもな」


もしアトラクションにあまり乗れなかったら残念だけれど、なによりも輝先輩とまた一緒に来られたことが嬉しい。
だから、めいっぱい楽しもうと決めた。