(なんで……どうして……)


もう数え切れないほど繰り返した疑問が、また私の心を責め立てる。
どうしようもないことだとわかっているのに、『あの時ああしていれば』『こうしていれば』という〝たられば〟が消えてくれない。


こんなことばかり考えていたって、なにも解決しない。
前にも進めないというのも、よくわかっている。


それでも、私はもうずっと一年前の夏から動けないままだった。


しゃがみこんで泣いていた私に、ふと影がかかっていることに気づく。
そろりと顔を上げると、金色の髪が初夏の風に揺れていた。


太陽の光に透ける明るい色が私には眩しすぎて、直視できなかった。
名前も知らない男子は、最初の約束を守るように私に背を向けている。


初対面なのに、与えられる優しさはありがたいはずなのに……。今は、そんなものすらなんだか痛くてたまらなかった。


夢を失ったあの日から、散々泣いた。
子どものように泣きじゃくった朝も、家族に八つ当たりしながら泣き叫んだ昼も、ひとり静かに枕を濡らした夜も……。幾度となく積み重ねてきた。


一生分泣いた……と言っても、過言じゃないかもしれない。


苦しいだけだった日々を経て、ようやく下手な笑顔でも笑えるようになったと思っていた。
だけど、ほんの一瞬で、必死に張っていた虚勢は崩れてしまった。


「ひっ……ぅ、くっ……ふっ……」


嗚咽をこらえようと唇を噛みしめても、その隙間を縫うように声が漏れる。
情けなくて恥ずかしくたまらない。


それなのに、さっき見た光景が頭から離れなくて、涙が止まらなかった。