「まぁ、実際はまだじいちゃんが亡くなった実感もなんだけどな。あんまり会ってなかったし、色々いきなりすぎて現実味がないっていうか……。美波に会った時も、『あけましておめでとう』って言っちゃったくらいだしな」
そういえば、輝先輩はそう口にしていた。
本来、ご不幸があった時には、自分自身も相手にも『あけましておめでとう』とは言わないはずなのに。
「……で、母さんはまだあっちにいるんだけど、父さんはもう仕事を休めないし、兄貴と俺も昨日の夜に一緒に帰ってきたんだ」
「そうだったんだね」
彼の父親は、鉄道会社の社員なんだとか。
恐らく、普通は年末年始だって休暇はないはず。
身内にご不幸があっても、さすがに長期間は休めなかったのかもしれない。
考えることがありすぎて、思考はパンパンだったけれど……。輝先輩は怒っていたわけじゃなかったのだとわかったことで、またひとつホッとした。
「でも、言い訳なのは事実だし……本当にごめん」
「謝らなくていいよ。そんなに大変な時に、私の方こそ嫌な思いをさせてごめんね。せめて私がちゃんと返事するか電話に出てたら、先輩はそんなこと考えずに済んだかもしれないのに……」
後悔でいっぱいになっている私に、彼がかぶりを振る。
そういえば、輝先輩はそう口にしていた。
本来、ご不幸があった時には、自分自身も相手にも『あけましておめでとう』とは言わないはずなのに。
「……で、母さんはまだあっちにいるんだけど、父さんはもう仕事を休めないし、兄貴と俺も昨日の夜に一緒に帰ってきたんだ」
「そうだったんだね」
彼の父親は、鉄道会社の社員なんだとか。
恐らく、普通は年末年始だって休暇はないはず。
身内にご不幸があっても、さすがに長期間は休めなかったのかもしれない。
考えることがありすぎて、思考はパンパンだったけれど……。輝先輩は怒っていたわけじゃなかったのだとわかったことで、またひとつホッとした。
「でも、言い訳なのは事実だし……本当にごめん」
「謝らなくていいよ。そんなに大変な時に、私の方こそ嫌な思いをさせてごめんね。せめて私がちゃんと返事するか電話に出てたら、先輩はそんなこと考えずに済んだかもしれないのに……」
後悔でいっぱいになっている私に、彼がかぶりを振る。