輝先輩と学校以外で会うのは、お祭りの日以来だった。
家庭教師の日を増やした彼は、ただでさえ忙しく、学校と家庭教師から出される課題に追われる日々を送っている。
だからせめて、邪魔はしたくなかった。
その代わり、週に二回は一緒にお弁当を食べているし、休み時間に会いに来てくれたり、駅まで一緒に帰ったりはしている。
本音を言えば寂しいけれど、輝先輩は本当に頑張っている。
そのことをよく知っているからこそ、今はそれだけでも充分嬉しかった。
それに、彼の受験が終われば、水族館デートが待っているのだから。
「そういえばさ」
「うん」
「結局、文系で出したんだっけ?」
「あ、うん」
希望調査書は、とりあえず文系に丸をつけておいた。
「理系より文系の方がいいし。志望校はまだ決まってないんだけどね」
「そっか」
「っていうか、私より先輩の方が先だし」
「いや、俺はまぁ……」
「え? 志望校、決まったの?」
「まだ悩んでるけど、だいたいは決めたよ」
一瞬だけ悩んだけれど、輝先輩がそう話してくれたということはもう少しくらいなら訊いてもいいのかもしれない。
そう感じて、一拍置いてから口を開いた。
家庭教師の日を増やした彼は、ただでさえ忙しく、学校と家庭教師から出される課題に追われる日々を送っている。
だからせめて、邪魔はしたくなかった。
その代わり、週に二回は一緒にお弁当を食べているし、休み時間に会いに来てくれたり、駅まで一緒に帰ったりはしている。
本音を言えば寂しいけれど、輝先輩は本当に頑張っている。
そのことをよく知っているからこそ、今はそれだけでも充分嬉しかった。
それに、彼の受験が終われば、水族館デートが待っているのだから。
「そういえばさ」
「うん」
「結局、文系で出したんだっけ?」
「あ、うん」
希望調査書は、とりあえず文系に丸をつけておいた。
「理系より文系の方がいいし。志望校はまだ決まってないんだけどね」
「そっか」
「っていうか、私より先輩の方が先だし」
「いや、俺はまぁ……」
「え? 志望校、決まったの?」
「まだ悩んでるけど、だいたいは決めたよ」
一瞬だけ悩んだけれど、輝先輩がそう話してくれたということはもう少しくらいなら訊いてもいいのかもしれない。
そう感じて、一拍置いてから口を開いた。