コーヒーショップは、今日も賑わっている。
店内はほぼ満席で、テーブルはなんとか確保できた。


ふたりとも期間限定のモンブランフラペチーノを選んで、私はわずかな抵抗でミルクと生クリームを無脂肪でカスタムしておいた。


「あ、めっちゃモンブランだ!」


先にフラペチーノを飲み始めた真菜は、一口目で目を見開いた。


「本当だ。なんか、フラペチーノっていうかケーキ?」


私も口をつけたあとで、心底共感する。
ミルクも生クリームも無脂肪にしたのに、充分すぎるほど甘い。
フラペチーノとは思えないくらいモンブランそっくりで、ケーキを飲んでいる気さえした。


「おいし~! 疲れた体に沁みわたって生き返る~」

「真菜の言い方、なんかおばあちゃんみたい」

「女子高生だって疲れるでしょ! 毎日朝から夕方近くまで授業受けて、放課後は補習やバイト、宿題もがっつりあるしさー」

「確かに」

「これで受験生になったらもっと忙しくなると思うと、今から憂鬱なんだけど」


ため息をついた彼女に、「だね」と頷く。
それよりも、私の場合は理系か文系か決めなければいけないんだけれど。