『進路?』
電話越しの輝先輩の声に頷き、ベッドにごろんと寝転がる。
「うん。先輩はもう決めてるよね?」
『あー……いや、まだ漠然とした感じ』
「そうなの?」
彼の答えは予想外で、思わず声が大きくなった。
『今まで陸上一色だったしな。大学も陸上で選ぶつもりだったから、今になって陸上とは無関係の進学先なんて思いつかないし』
「そっか」
焦りと不安が少しだけ和らぐ。
三年生である輝先輩がまだ決まっていないのなら、私も焦る必要はないのかもしれない。
安心していいわけじゃないとわかっているのに、安堵感が芽生えた。
『急にどうした?』
「今日、進路希望調査書をもらって」
『ああ、あれか。俺も迷ったな』
そういえば、輝先輩はちょうど一年くらい前に陸上をやめたはず。
膝を故障したらしい……と、当時は校内でかなり噂になっていた。
どこまでが真実かわからないのは、本人に確かめたわけじゃないから。
電話越しの輝先輩の声に頷き、ベッドにごろんと寝転がる。
「うん。先輩はもう決めてるよね?」
『あー……いや、まだ漠然とした感じ』
「そうなの?」
彼の答えは予想外で、思わず声が大きくなった。
『今まで陸上一色だったしな。大学も陸上で選ぶつもりだったから、今になって陸上とは無関係の進学先なんて思いつかないし』
「そっか」
焦りと不安が少しだけ和らぐ。
三年生である輝先輩がまだ決まっていないのなら、私も焦る必要はないのかもしれない。
安心していいわけじゃないとわかっているのに、安堵感が芽生えた。
『急にどうした?』
「今日、進路希望調査書をもらって」
『ああ、あれか。俺も迷ったな』
そういえば、輝先輩はちょうど一年くらい前に陸上をやめたはず。
膝を故障したらしい……と、当時は校内でかなり噂になっていた。
どこまでが真実かわからないのは、本人に確かめたわけじゃないから。