「美波、なに食べる? あ、チュロス以外で選べよ」
「……オムライス、かな」
「気が合うな。俺も今はオムライスの気分」
オムライスは色々な種類がある。
王道のケチャップ、和風やクリームソース。
目移りしそうだったけれど、スタンダードなケチャップにしようと決めた時。
「俺、ケチャップにする。美波は?」
隣からそんな声が聞こえてきて、急に輝先輩を身近に感じた。
「私もケチャップにしようと思ってた」
「え~、真似するなよ!」
「してないし!」
「いやいや、俺が選ぶのを待ってただろ」
「待ってませんー! だいたい、それなら先輩こそ私の真似したことになるよね?」
「どこが?」
「私がオムライスにするって決めたら、先輩もオムライスにしたじゃん」
「それはたまたまだって」
「私だってたまたまだし」
彼と言い合いながら、笑いが込み上げてくる。
とうとう我慢できなくなった瞬間、同じタイミングで輝先輩も噴き出した。
「くだらねー」
「本当にくだらないよね」
肩を震わせながら、こんな風に笑うのはいつぶりだろう……と考える。
真菜と一緒にいると楽しいし、私の傷に触れないでいてくれるからホッとできる。
バイトも始めてよかったと思う。
やり甲斐があるし、なによりも誰も私の選手時代のことを知らないから気を張らなくていい。
おかげで、学校よりも馴染めている気がする。
「……オムライス、かな」
「気が合うな。俺も今はオムライスの気分」
オムライスは色々な種類がある。
王道のケチャップ、和風やクリームソース。
目移りしそうだったけれど、スタンダードなケチャップにしようと決めた時。
「俺、ケチャップにする。美波は?」
隣からそんな声が聞こえてきて、急に輝先輩を身近に感じた。
「私もケチャップにしようと思ってた」
「え~、真似するなよ!」
「してないし!」
「いやいや、俺が選ぶのを待ってただろ」
「待ってませんー! だいたい、それなら先輩こそ私の真似したことになるよね?」
「どこが?」
「私がオムライスにするって決めたら、先輩もオムライスにしたじゃん」
「それはたまたまだって」
「私だってたまたまだし」
彼と言い合いながら、笑いが込み上げてくる。
とうとう我慢できなくなった瞬間、同じタイミングで輝先輩も噴き出した。
「くだらねー」
「本当にくだらないよね」
肩を震わせながら、こんな風に笑うのはいつぶりだろう……と考える。
真菜と一緒にいると楽しいし、私の傷に触れないでいてくれるからホッとできる。
バイトも始めてよかったと思う。
やり甲斐があるし、なによりも誰も私の選手時代のことを知らないから気を張らなくていい。
おかげで、学校よりも馴染めている気がする。