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泰吉が由椰を連れて行ってくれたのは、スーパーマーケットと呼ばれる店だった。
外の市場でしか買い物をしたことのない由椰は、電灯に照らされた明るくてまぶしい店内や棚に陳列された豊富な種類の食材に目を見張る。
「ここには、なんでもあるのですね……!」
並べられた商品をひとつひとつ見て回るのが楽しくて、少しも飽きない。物がたくさんありすぎて、必要なものを決めるのに迷うくらいだ。
ゆっくりと見て回って、泰吉に教えてもらいながらお金を支払ったときには、店に入ってから三時間近く経っていた。
何日か分の食材と、ぼたもちを作るためのもち米、小豆、砂糖、きな粉などを買うと、あっという間に買い物袋がいっぱいになる。
「さて、買い物も済んだし、どこかでお昼を食べて帰りましょうか」
泰吉がそう言ってズボンに手をあて、手のひらほどの大きさの葉っぱを取り出す。それを買い物袋にのせると、由椰の両手にいっぱいだった食材が煙に包まれて消えてしまった。
泰吉が由椰を連れて行ってくれたのは、スーパーマーケットと呼ばれる店だった。
外の市場でしか買い物をしたことのない由椰は、電灯に照らされた明るくてまぶしい店内や棚に陳列された豊富な種類の食材に目を見張る。
「ここには、なんでもあるのですね……!」
並べられた商品をひとつひとつ見て回るのが楽しくて、少しも飽きない。物がたくさんありすぎて、必要なものを決めるのに迷うくらいだ。
ゆっくりと見て回って、泰吉に教えてもらいながらお金を支払ったときには、店に入ってから三時間近く経っていた。
何日か分の食材と、ぼたもちを作るためのもち米、小豆、砂糖、きな粉などを買うと、あっという間に買い物袋がいっぱいになる。
「さて、買い物も済んだし、どこかでお昼を食べて帰りましょうか」
泰吉がそう言ってズボンに手をあて、手のひらほどの大きさの葉っぱを取り出す。それを買い物袋にのせると、由椰の両手にいっぱいだった食材が煙に包まれて消えてしまった。