「ああ、よかった……。ご無事だったのですね……」 「風音さん……」 風音に正面から勢いよく抱きしめられ、由椰は戸惑い固まってしまう。 「風音は、お前のことをとりわけ心配していた。お前も約束しろ。断りなく、大鳥居の外に出ていくな」 「はい……」 (それは、互いに約束を守れということでしょうか……) 風音に抱きしめられたまま、由椰は小さく頷いた。