「さっきは、ひどく突き放すようなことを言って悪かった。由椰をここに受け入れたときから、お前の魂を人の世に戻してやることこそが、おれの義務だと思っていた。だが……、やはりどうしてもお前を失いたくない……。おれがいつか消えてしまう日まで、由椰にそばにいてほしい」
ぼんやりとする由椰の耳に、烏月が甘く切ない声でささやく。
夢か現か。
烏月の優しい愛の言葉も、由椰を抱きしめる腕のぬくもりも、できることなら現実であればいい。
それを確かめるように、由椰は自分を抱きしめてくれる烏月の背にそっと手を伸ばした。