僕の言葉に新城はぷいっと顔を背ける。
――照れているんだ。
長い付き合いと言えるわけじゃないけれど、最近はこういった仕草で新城の態度がわかるようになっていた。
それだけ新城の事がわかってきたと思えると少し嬉しいのは秘密。
「話を戻すぞ。今回の怪異は人を殺している。都市伝説怪異かそうでないかすらわからない。本当に正体不明の相手、そういう相手は警戒しすぎても足りないくらいだ」
「うん」
僕達は祓い屋を営んでいる。
正確に言うと祓う力を持っている新城の手伝いを僕はしている。
祓い屋は怪異と総称される怪しげな状況を何とかする為に存在している。少し前に都市伝説とされている怪異と戦う事になった。
あの時も命の危険はあった。今回の怪異がどんなものであれ警戒は必要だと新城は言う。
「今回の怪異について心当たりはある?」
「ない」
新城は携帯端末を取り出す。
画面を操作して表示するのは警察の怪異対策部署に所属している長谷川さんから渡された資料。
「被害者は既に六名。どれもが一撃で死んでいる」
「一撃で……」
「警察の見立てでは刃物、それもナイフや包丁ではなく刀剣類と推察している」
「刀剣って、そんなものを持ち歩いていたら普通、気付くと思うけれど」
「怪異だからって言葉で済ましたくはないが、何か特別な力があるのかも」
世間話をするように話をしながら狭い路地裏から人気がない車道にでる。
「ねぇ、新城」
「最悪だな」
車道の真ん中。
点滅をしている街灯の下。
全身を黒衣で身を包み、同じくらい真っ黒な唐傘を被った何かがいる。
暗闇に慣れていたとしてもアレを何と呼んでいいかわからない。
人の形をかろうじてしているけれど、怪異だ。
そういうものだと経験でわかる程に僕も怪異のいる世界に慣れてきたのかもしれない。
「どうするの?」
「様子を伺いたいところだが、俺達に殺意をビシビシ向けているな」
新城の言葉通りあの怪異、僕達に凄まじい殺意を向けてきている。
少しでも動けば怪異が何かをするかもしれない。
――照れているんだ。
長い付き合いと言えるわけじゃないけれど、最近はこういった仕草で新城の態度がわかるようになっていた。
それだけ新城の事がわかってきたと思えると少し嬉しいのは秘密。
「話を戻すぞ。今回の怪異は人を殺している。都市伝説怪異かそうでないかすらわからない。本当に正体不明の相手、そういう相手は警戒しすぎても足りないくらいだ」
「うん」
僕達は祓い屋を営んでいる。
正確に言うと祓う力を持っている新城の手伝いを僕はしている。
祓い屋は怪異と総称される怪しげな状況を何とかする為に存在している。少し前に都市伝説とされている怪異と戦う事になった。
あの時も命の危険はあった。今回の怪異がどんなものであれ警戒は必要だと新城は言う。
「今回の怪異について心当たりはある?」
「ない」
新城は携帯端末を取り出す。
画面を操作して表示するのは警察の怪異対策部署に所属している長谷川さんから渡された資料。
「被害者は既に六名。どれもが一撃で死んでいる」
「一撃で……」
「警察の見立てでは刃物、それもナイフや包丁ではなく刀剣類と推察している」
「刀剣って、そんなものを持ち歩いていたら普通、気付くと思うけれど」
「怪異だからって言葉で済ましたくはないが、何か特別な力があるのかも」
世間話をするように話をしながら狭い路地裏から人気がない車道にでる。
「ねぇ、新城」
「最悪だな」
車道の真ん中。
点滅をしている街灯の下。
全身を黒衣で身を包み、同じくらい真っ黒な唐傘を被った何かがいる。
暗闇に慣れていたとしてもアレを何と呼んでいいかわからない。
人の形をかろうじてしているけれど、怪異だ。
そういうものだと経験でわかる程に僕も怪異のいる世界に慣れてきたのかもしれない。
「どうするの?」
「様子を伺いたいところだが、俺達に殺意をビシビシ向けているな」
新城の言葉通りあの怪異、僕達に凄まじい殺意を向けてきている。
少しでも動けば怪異が何かをするかもしれない。