計画性がないとか、愚かって新城に言われるだろう。
怪異、妖怪と線引きしようとしている新城を裏切るような行為。
失望されてしまうだろう。

「じゃあ、今度、服を買いに行きましょう!そして、雲川とデートよ」
「でぇと、そうか、でぇと!楽しみだ!」

色々考えていたけれど、そろそろ余計な知恵を与えている瀬戸さんを止めようと思う。








「おい、私を助けてくれた事は感謝するが下僕継続とはどういうことだ!?」

百済は新城へ叫ぶ。
二階堂仁衛によって重傷を負わされた彼女は全身包帯まみれという状態。
彼女は陰陽塾へ今回の件を報告しなければならない。
最寄り駅まで彼女を送る役目(渋々)引き受けた新城は去り際に下僕開放を頼まれた。

「そんなことするわけないだろ。そもそも、お前は今回の事件で活躍したか?答えはノーだ」
「うぐっ」

新城の指摘に顔を顰める。
実際の所、彼女は活躍という活躍が出来ていない。
初戦で乱入した時は華々しいデビューだったが、その後は散々なもの。
そして、新城や雲川を見下し、妨害するような行為を続けていた事と新城に禁句を告げた事で下僕扱いを受けている。

「そんなお前が今回の件、意識が朦朧としていたとはいえ、一部始終をみていた。雑魚とはいえ、陰陽塾に余計な事を吹き込まれても迷惑だから、下僕の契約は解除しない。報告内容も用意したシナリオ通りやるように、道中で頭の中へ叩き込め」

ベチンと用意したシナリオで左右の頬をしばきながら彼女へ差し出す。

「私、私だって、強いのに」

泣きながらシナリオを書き記した紙を受け取る百済。

「中の下程度でえばるな。今回は俺達がいたから助かったようなものだ。一人だったら今頃、お前はミンチだ」
「否定、できない」

その場に項垂れそうになる彼女。
ペチンとその頭を丸めた用紙で叩く。

「項垂れている暇はないぞ。帰宅途中にこの内容を頭に叩き込め、そして」